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2009年11月23日 (月)

「打出の小槌」の使い方

セ・パ誕生60周年記念として開催された、
「U-26NPB選抜 vs 大学日本代表」
の一戦、楽しめました。非常に意義のある試みだと感心しました。

各自が持ち帰った思い
そう思う理由は、選手たちが持ち帰ったであろう様々な思いにあります。大学生たちがあれだけの大観衆の前でプレーすることはめったにない。そしてプロのユニホームを着た敵と対峙することに至っては想像もできないこと。その中でプロの技術の高さを痛感し、今後の課題を見出した選手もいたでしょう。中には自分の力はプロの世界でも通用すると確信し、明るい気持ちで球場を後にした選手もいたはずです。いずれにしてもプロが幻ではなく身近に感ずるものになった意味は大きい。選択肢のひとつとしてMLBの存在感が増す一方の昨今、プロ候補生たちにNPBの魅力をじかに伝えることができるという点からも、価値ある試みであったと感じられます。

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また、プロ選手にもメリットはあったと思います。大隣金刃をはじめとする面々は大学時代の自分を思い出していたでしょうし、高卒選手は高校時代のユニホームを着ていた頃を思い出したに違いありません。私ですら彼らの若かりしアマ時代を思い返していましたから。
その意味では試合前と試合後、ホームプレートを挟んで両軍が向き合うあのアマスタイルの挨拶もよかったのではないでしょうかw、めったに見られない光景ですし。
 あの頃と比べて高まった己の力を感じ、自信を深めた選手。
 あの頃の自分のひたむきさやがむしゃらさを思い出した選手。
いろいろでしょうが代表を背負った経験、そしてプレーヤーとして「初心」「原点」を思い出したという共通点は、今後意外に大きな経験となるのではなかろうかと感じました。

気になる選手 私的メモ
プロ・アマ全体を通して、「野手が育つというのは難しいのだなぁ」と痛感しましたw、投手が良かったことが一番の理由でしょうけれども。
という訳で、大学生の注目プレーヤーは投手に偏ってしまいます。
あ、関西学院大・萩原君だけは別です。あのバットコントロールはすごいの一言。まだ一年生。今後のさらなる成長が楽しみです。
斎藤君(早大)・君(東洋大)・大石君(早大)・澤村君(中大)・東浜君(大)・中後君(近大)・菅野君(東海大)…いずれもすばらしい素質を感じさせてくれました。今日の登板限定であえて順番をつけさせてもらえば、個人的お気に入りとして
①大石君
遊撃手兼業の経歴を見ても、野球センス抜群なのだろうなあと。そんな彼ですが、実に投手らしい投手だと思いましたw。流れるようなフォームから大竹(広)を思い出したのですが。魅力は左打者へのインローまっすぐ。これにつきると個人的には感じています。より大きくなってプロの世界に進んでほしい。楽しみにしています。
②澤村君
すばらしい投げ手であることは疑いない。本音は一位。唯一「一二の三」といいますか、せわしなげな投球リズム(かつての選手で言えば入来弟に近いでしょうか)が打者に合わせられやすそうな点、そこだけ気になりました。私の思い違いであることを証明してもらうため、今後の彼の試合に注目していきたい、そう感じています。ファンになったのかもw。
③中後君
左変則からおさえの利いた時の速球。まだ少ないけれど魅力的です。変化球に手投げ傾向が残りますがまだ二年生。今後に期待です。
の三選手をあげておきます。
それから注目の斎藤君。スロー映像が、今抱える悩みを端的に物語っていました。まだ時間はあります。思えば高校時代も怪物的輝きを放ったのは最終学年。大学生としての彼もまた、最後の最後に「化けて」我々の前に現れるような予感もするのですが。期待印の△、としておきたいです。

と、大学の逸材を並べましたが、プロも黙ってはいない(笑)。特に立ち上がりの前田健(広)、大嶺(ロ)の二人はプロの名に恥じない投球だったかと。
 球種を問わず同じ腕の振りで投ずること
 (打ち気を読んだ)カウント球・勝負球の使い分け

けしてNPB内で制球抜群の評価を受けている訳ではない。隙をつかれて攻略される場面も少なくはない若手ではあるけれど、それでもこれだけの貫禄を感じさせる。やはりそこにはプロの育成力というものの存在を感じましたし、あわせて彼らの努力・成長といったものも再確認できました。

運営側から見たプロ・アマ交流
ようやく本題です(笑)
この対戦へのファンの歓迎度は、超満員の観客数が示しています。大学側への声援もすごかった。大学野球がトップブランドだった昔日を思い返したオールドファンもおられたのではないでしょうか。
今一度調べてみました。このイベントは
 主催:NPB財団法人全日本大学野球連盟(JUBF)
 共催:読売新聞社
です。ここまでの歴史・経緯を思えば、開催の英断をくだされた大学野球連盟の方々が「影のMVP」だったのでは?感謝致します。
近年、大学・社会人とのつながりはプロアマ関係者の方々のご尽力により少しずつ、少しずつ広がりを見せつつあります。
高野連の方々はどんな思いで見ておられたのだろう。
現状の日本野球界に欠かせない存在感を持つ大組織だけに、ついそんなことも考えながら観戦しておりました。

日本代表。
このイベントの意味はもう一点。日本代表常設云々が囁かれる中、対象は海外へと向けられていました。けれど、実は国内体制の充実においても代表の存在は大きな役割を果たし得る。これは大きな発見だったかもしれません。

こうなると確かに夢は広がります。事実早速この対戦も、継続開催への動きが報じられていました。これに限らず、例えば
オールスターは最低限の人数によるファン投票選出者で一試合(選ばれた誇りを上げるためにも良いかもしれません。大前提として我々ファンの投票・選出に対する意識の向上も欠かせませんが)。翌日は(常設の)WBC監督指名による2チームで「日本代表選出参考試合」なんていうのはどうでしょう。三試合目もあるなら現代表と海外招待チームと対戦してもよいかも。
★もっと想像をたくましくすれば、高校選抜も輪に加わってくださると仮定して。高校選抜vsプロ・社会人・大学の高卒後一~二年の選手たちというのも面白いかもしれません。

夢は広がるけれど
正に打出の小槌。夢はどこまでも広がっていきます(笑)。ただ一点。
「赤字が見込まれているNPBの増収策として日本代表による国際試合を行う案などが提言された」
過日、こんな報道がありました。生意気ながらこれを増収あるいは赤字解消をめざした方策の「中心とまで」してしまうのは、本末転倒というか危険きわまりないように思います。
「国家代表」というのはファンの愛国心ナショナリズムを刺激することに他なりません。これは興行上最後の「切り札」であり「ジョーカー」ではなかろうかと。
あわせてCS、ポストシーズンのトーナメントも同様です。PSGナショナリズム。ここ数年で、NPBがファンを拡大していくための切り札は二枚とも切った。私自身はそう感じています。

だとすれば、今後はこの二枚を大事に大事に育てていかなくてはなりません。正直、
切り札を切ってしまった、後がないという不安
と、安売りの結果、
代表が「いつもそこにあるもの」になってしまった後への危惧
が若干ですけれどもないでもありません。

できればあえてこの代表関連の収益を、
再建の「切り札」「原動力」に位置づけないこと
が望ましいのではないかと思います。あくまで「臨時収入であり嬉しいボーナス」といった位置づけにとどめておけるのがNPBの未来にとって本当は理想的なのではないかなあ、と。

だとすれば改革の中心は?これはもう明らかです。
 現在数千万円の赤字見込み。
 WBCの賞金があったから億単位の赤字を免れたという現実。
 日本シリーズの実施試合数によって左右される機構の収入。
無礼な発言をお許し下さいませ、本当に改革すべきはNPBの収益構造ではなかろうか、と。日本代表の存在をあくまで「起爆剤」としつつ、こうした根源的な部分への改革にも臆することなく着手していける…そんなところまで到達していただきたいなあと今はただただ願っています。
仮に今後代表頼みに陥るとするならば、失礼ですが
NPBの赤字を代表選手だけで回収してこいと言っている」
という印象を抱かないという自信がありません、個人的には。 

 球団間の資金力の差をどう解釈すべきか
 放映権の値下がりにどんな態度をとるのか
をはじめ、「NPBの根本」に関わるいくつかの諸問題が存在します。ペナントレースとともに、日本代表そして海外の代表、もしくはドラフト候補生たちの戦いに見とれている一方で、NPBはこれをあくまで「起爆剤」にして、しっかりと盤石かつ強固な経営体制を整えていた。さすがだなぁ…と感心させられる日の到来を本当に、本当に心待ちにしています。

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